最近話題になっている生成AIとは何か、そしてそれに関わる著作権の問題とは?そして、それに関わる「著作権」にはどんな問題があるの?今回は、このテーマについて多くの方でも理解できるように、できるだけわかりやすく詳しく説明していきます。
生成AIとは何か?
生成AIとは、文章や画像、音楽、映像などを自動で作り出す人工知能(AI)のことです。たとえば、「かわいい犬のイラストを描いて」と指示すると、AIがそれに応じた画像を作ってくれます。また、「感動する物語を書いて」と頼むと、それっぽい文章を作成してくれるAIもあります。こうしたAIは、インターネット上の文章や画像、音声データなどを大量に学習することで、人間が作ったように見えるコンテンツを生み出すことができます。最近では、ChatGPTや画像生成AIのMidjourneyなど、多くの人に使われるようになり、ニュースや授業でも取り上げられることが増えてきました。
AIは一見とても便利な技術ですが、その使い方や仕組みをしっかり理解しないと、思わぬ問題を引き起こすこともあります。
著作権ってどんなもの?
著作権とは、自分が作った作品を守るための権利のことです。絵、音楽、文章、写真、映画など、人が創作したものには自動的に著作権が発生します。この権利があるおかげで、他人がその作品を勝手に使ったり、まねしたり、売ったりすることを制限することができます。たとえば、自分で描いたマンガを他の人が無断でネットに公開したり、グッズにして販売したりした場合、著作権の侵害になります。
著作権は、創作した本人の努力や創造性を守るための大切な仕組みであり、文化や表現の自由を支える基礎にもなっています。
AIが作った作品に著作権はあるの?
ここからが少し複雑なところです。人間が描いた絵や書いた文章には著作権があるのは当然ですが、AIが自動で作った作品には著作権があるのでしょうか?実は、現在の法律では「人間が作ったもの」にしか著作権は認められていません。そのため、AIが自動的に作った文章やイラストには、基本的に著作権が発生しないというのが一般的な考え方です。
たとえば、AIに「猫のイラストを描いて」とお願いして作ってもらった画像は、誰のものなのかはっきりしない状態です。使う人が工夫して編集したり、AIに特別な指示を出して内容を調整した場合には、その人に著作権があると判断されることもありますが、まだルールが完全に決まっているわけではありません。
AIが学習に使うデータの問題
AIは、たくさんの作品を勉強して賢くなっていきます。このとき、AIが学習に使うデータには、すでに誰かが作った絵や文章、音楽などが含まれていることが多くあります。そのため、「他人の作品を無断で使って学習していいのか?」という問題が出てきます。
たとえば、ある有名な漫画家の絵がAIに学習されて、その作風をまねたイラストをAIが生成したとしたら、それは著作権の侵害になるのでしょうか?今のところ、こうしたケースについては世界中でさまざまな意見があり、実際に裁判で争われていることもあります。日本でも、文化庁がガイドラインを出して、著作権に配慮したAIの開発と利用をすすめようとしています。
クリエイターへの影響
AIが人間のように作品を作れるようになってきたことで、イラストレーターや音楽家、作家などの仕事に影響が出る可能性があります。たとえば、ある画家の絵のタッチをそっくりまねたAIイラストがSNSなどで人気になると、本物の画家の作品と見分けがつかなくなることがあります。それによって、クリエイターの仕事が減ってしまったり、価値が下がってしまったりすることが懸念されています。
また、AIによって生まれる作品が増える一方で、人間の創造力や個性が軽視されるのではないか、という心配もあります。創作をする人たちが安心して活動できる環境を守るためには、AIの使い方について社会全体で考えていく必要があります。
これからの法律やルールの動き
現在、多くの国がAIと著作権に関する新しいルールを作ろうとしています。日本でも、文化庁が中心となって、AIが生成した作品に関するガイドラインを発表しました。今後は、AIが作ったコンテンツにどのような権利が発生するのか、それを使う人はどんな責任を負うのかといった点について、さらに法律が整備されていく見通しです。
また、AIによる創作活動に関するルールづくりは、ただの法律問題ではありません。社会全体で「どのようにAIと共存していくか」という考え方が問われているのです。私たち一人ひとりが、自分の創作や学びにAIをどう使うかを考え、正しく使っていくことが求められます。
AIを使うときに気をつけること
AIを使って作品を作るときには、以下の点に注意しましょう。
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AIが学習したデータがどこから来たのかを確認する
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作ったものを商用利用するときは、著作権に問題がないかを調べる
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他人の作品と似すぎていないか注意する
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AIが作った内容に自分で工夫やアレンジを加える
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利用規約やサービスのルールをよく読んでから使う
これらのポイントを意識することで、思わぬトラブルを防ぐことができます。また、安心してAIを活用することができるようになります。
おわりに
生成AIは、便利で楽しいツールですが、著作権などのルールを守って使わないと、他人の権利を侵害してしまうおそれがあります。だからこそ、私たちはAIの仕組みやルールをしっかり学び、正しい使い方を知っておくことが大切です。
これからAIはますます進化して、もっと多くの場面で使われるようになるでしょう。そのとき、AIと人間がお互いの良さを活かして共に創造していく社会を目指すためには、今のうちからしっかり考え、準備しておく必要があります。未来のクリエイターとして、AIと上手につきあっていけるようになりましょう。
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